http://www.xerial.org/trac/Xerial/wiki/Subversion
情報系学生向けの内容なので、英語で、しかもコマンド入力形式を前提に書いているので、一般のパソコン利用者には読んで理解するのは大変かと思うのですが、こういうものがあるんだよということをぜひ知ってもらいたいです。
Windowsなら、TortoiseSVNという、マウスクリックで使えるSubversionもあるので、こちらをインストールして使ってください。
簡単な概念の説明
- 適当な位置に、リポジトリ(repository)と呼ばれるものを作ります。これは、あなたのファイルとその変更履歴を保存するデータベースのようなものです。
- 普段の執筆作業、ファイルの編集等は、ワーキングコピー(working copy)と呼ばれる、リポジトリの中身のコピーに対して行います。ワーキングコピー内のファイルをいくら編集したり、削除しようと、リポジトリには影響を与えません。
- ワーキングコピーを作成するには、まず、チェックアウト(checkout)という操作を行い、リポジトリからあなたのファイルのコピーを取り出します。
- ワーキングコピー上のファイルの編集結果を、リポジトリに反映させてもいいと判断したら、コミット(commit)と呼ばれる操作を行い、ワーキングコピー上での編集内容を、リポジトリに送ります。
- ワーキングコピー上の新しいファイルは、自分でリポジトリに追加(add)する、と選択しない限り、リポジトリには送られません。
- リポジトリには、コミットする前と後のファイルの内容がすべて記録されています。従って、一ヶ月前の原稿を取り出したい、という要求にもこたえることができます。1回のコミットごとに、リビジョン(revision)の番号が更新されていきます。
- ファイルを元に戻したい、というときには、リポジトリから復元(revert)操作を行います。誤って消してしまったファイルや、修正結果などを元に(リポジトリに保存されている状態に)戻せます。
- 定期的にリポジトリのエクスポート(export)を行って、最新の状態のファイルのバックアップをDVDなどの外部メディアに保存しておくと良いでしょう。更新履歴を含めたリポジトリ全体のバックアップが必要なときは、svnadmin dumpコマンドを使えるように設定する必要があります(詳細は公式ページや、onlineのsubversion解説書で)。
- リポジトリは、Webサーバー上に作成するといたるところで自分のファイルにアクセスできるようになるので、利便性が高まります(Apache + mod_dav_svnなど)。あるいは、sshログインできるサーバー上に、リポジトリを作っておくと設定要らずで簡単です(svn+ssh://(server address)/home/leo/svn/repository というようなURLでアクセスできる)。
- Webサーバーなんて設置できない、という人は、最近はUSBメモリが大容量化しているので、こちらにリポジトリを作成してもよいのかもしれません。ただ、盗難、紛失によってデータを失うリスクが高いので、あまりお勧めできません。
- 複数の人(自分一人の場合でも、自宅、会社のPCなど)のコミット後の更新結果を手元のワーキングコピーに反映させるには、更新(update)を実行します。自宅と会社で同じファイルを編集してしまった場合は、コミットや、更新を行ったときに警告が出されます。両者の変更を簡単に合成(G: merGed)できるときもありますが、そうでないときはC(Conflict)マークが出ます。その際は、手作業で更新がぶつかった箇所を編集して、conflict resolvedという操作を行わないと、そのファイルはコミットできなくなります。人の更新結果を使って、手元の更新結果を無視して上書き、なんてこともできます。
文章やプログラムを書くという作業は、もうSubversionがないと怖くてできません。でも、世の中の大半の人は、まだこの恩恵にあずかれていないのかと思うと、少し悲しくなってきます。リポジトリの置き場所、バージョン管理って何?という面で、やや敷居が高いのですが、 あなたの大切な「パートナー」のことですので、真剣に考えてあげてくださいね。