2006年11月6日月曜日

上手なプレゼンテーションとは

今学期は、久々に大学の講義に参加してみています。

講義の形態は、学生が毎回発表するというもの。
修士1年の学生さんが多いせいか、覇気が足りない。。。

課題を与えられたら、与えられた文献しか読んでこない人とか、それすら読みこなせていないというのがちらほら。自分が発表したときは資料探しから始まって、何百ページもある資料にいくつも目を通して、基本を学んで、実験評価もして、と相当時間を費やして望んだのに、他の人からそれくらいの気概が感じられなくて、悲しい限り。(東大生なんだから1週間もあれば英語で100ページくらい読んできてよ! というのが本音)

もちろん、プレゼンテーション技術が未熟なこともあるのだけれど、それ以前に、一つのトピックをわかりやすく紹介するには、そのトピックだけでなくて、トピックを含むもっと広い分野の知識が必要という認識がまだない様子。

それだから、プレゼンを聞いていると、この研究はなぜ重要なのか? という視点を欠いたまま(発表している本人も理解していない様子で)発表を続けられてしまうので、聞いている方は、すぐ迷子になってしまいます。

問題は、発表する側の視野が局所的なこと。いくら研究の子細を丁寧に伝えたとしても、それだけでは、他にもっといい方法があるのでは? と疑問に思ってしまうし、様々な研究の流れの中で、いま発表している内容はどういう位置づけにあるものなのか、ということもわからない。そのような大局的な視点がないプレゼンテーションは、同じ問題意識をもった人たち(例えば研究室の仲間とか)にしか価値がありません。

大局的な視点を身につけるには、たくさん学ぶこと。これに尽きます。よく書かれた論文や教科書は、そのような大局的な知識を効率よく与えてくれます。既に学んでいる人から、そのような知見を引き出せると、次のステップへ進む重要な足がかりとなのですが、どうも数ある授業の課題の1つとしか捉えていない発表者から、そのような知見を得ることは難しいようです。

自信を持って発表できないのは、やはり勉強が不足していることが一番の原因。すべてを完全に理解している必要はありませんが、少なくとも、何がわかっていて、何がわかっていないかを理解することは必要。そのレベルまで達している人とそうでない人とでは、自ずとプレゼンテーションの出来も変わってくるものです。

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