気になったので、早速買ってきて読んでしまいました。
「天使の卵」は衝撃的な作品です。それゆえに、読んだ後、心にぽっかり穴が空いた状態になってしまいます。でも、その10年後のお話である「天使の梯子」は、そのときにできた心の隙間をやさしく埋めてくれる作品になっています。
10年という時間が経っても、辛い思いでの記憶は捨てきれるものではありません。思い出したくないことであっても、何かの拍子に記憶の「箱」から引き出されてしまう。生きていくために必要なのは、そういう記憶を忘れ去ることでも、乗り越えることでもなくて、ただ、新たなスタートラインに立つことなんだ、というメッセージが、この作品には込められているような気がします。
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