2006年2月21日火曜日

GPLの選択は当事者間の問題か?

コメントに対する回答をここにも乗せます。

先日書いたブログからは、GPLがviral(伝染性)ライセンスだから批判しているような印象になるかもしれません。でも、僕は、そういう一面が嫌いではありません。企業にとって、GPLであるが故に、それを使うために企業がコミュニティに貢献せざるを得ない状況を敢えて作っているところは、少数のプログラマが大企業に対抗するのに必要不可欠だったわけだし、こういったレジスタンス的な活動は、むしろ大好きです。

GPLライセンスの製品には巣晴らしいものが多々あります。主要なオープンソースプログラムはGPLへの対応済みであって、一度GPLの輪の中に入ると幸せでしょう。

でも、そこからGPLから抜け出し、GPL以外の選択肢を取るのは相当大変です。僕の主張は、安易にGPLを選択しないで、ということです。GPLの選択は確かに当事者間の問題ですが、内容をよく吟味せずにGPLを選択する当事者が増えてしまうのは困り者だと、僕は思っています。

ソース公開義務を課したり特許による攻撃を防ぎたいならMPLや、その微修正版のSunのCDDLがあります。copyrightの表示だけを義務付けたいなら、 New BSDライセンスも使えます。Apache License v2.0なら、著作物を改変した人の名前も追うことができるようになります。

でも、オープンソース開発後進国の日本では、GPLがv3になろうとしているのに、こうしたことが驚くほど話題になっていないのです。少なくとも、GPLが有名だから、という理由で、GPL採用する人には歯止めをかけたいのです。種々のライセンスを使う人には、それなりのメリットや理由があります。でも、それを理解するには日本語の情報源があまりにも少ないと思うのです。

この昔の記事はオープンソース開発を創めるにあたって、役にたつかも。著者の八田さんは、オープンソースに関連して頑張っている数少ない日本人のようです。

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