2006年3月25日土曜日

歩きタバコと日本のモラル

こんなところに書いても何の足しにもならないだろうけれど、一言。

「歩きタバコは不快だからやめて」

世の中には嫌煙家とか愛煙家がいるようです。でも、「タバコは健康を害する」、「いやデータが怪しい」、という応酬を見ていると不毛だと感じます。職場などで四六時中副流煙にさらされ健康リスクを負っている人以外には、健康に悪いかどうかなんてどうでもいいことです。どちらの方向に証明されたとしても、「服に匂いがつく」、「嫌悪感を覚える匂い」は解決されていないのですから。

日本のタバコの税率は6割。これは、海外では8割のとこが多く、日本はかなり安い国なのだそうです。でも、この税金、歩きタバコ抑止という目的にほとんど使っていないことは明らか。目的税として徴収してはいないし、むしろ国や地方自治体にとって貴重な財源になっているはずです。

タバコ税は健康に悪いから増税してもいいなんて安易な論調を振りかざしているから、養老孟司のような愛煙家の意見の方に説得力が出てしまいます。タバコも文化で嗜好品であるのに、不当に抑圧されている、という主張のようです。この主張を変に間に受けて、税金を払ってやっているからタバコを吸ってもいい、なんて言う人もでてきます。

「タバコは健康に悪い」=> 「増税してもいい」
という論理は、本当に「タバコは健康に悪い」かどうかを疑わせるだけで簡単に崩れます。ヘビースモーカーでも元気なおじいちゃんだっているし…。

「増税すると喫煙者(特に未成年)への抑止力になる」
いままで6割(約2兆円)も徴収していて、効果的に抑止できていないし、他国で成功したことが、日本で当てはまるとは限りません。学校の職員室が禁煙でないところなんてざらにあるでしょう。「大人だから吸ってもいい」なんて論理は通用しません。それを使うと「大人でも他人の迷惑を考えられない」という論理を導けてしまいます。

マナーの悪い人に怒るのは当然。でも、高割合の税金を徴収していながら、啓蒙活動を十分に実施していない役所のほうがおかしい。

たばこの匂いへの反応を喫煙者と非喫煙者でわけると、おそらく喫煙者の方が嗅覚が鈍感になっていて嫌悪感も薄いこと。衣類への匂いの付着なんて、すでに実証されているはずです。

何か建前があると増税しやすいのですが、なぜか国民の目の代わりの監視役として重要なメディアは、増税されて得られたものがどのように使われているかまでは着目しない。

千代田区の歩きタバコ禁止条例も、区内の通りでは一応功を奏したようですが、千代田区の境を一歩出た橋の上で喫煙を始める人がとても多いそうです。

どうして歩きタバコを禁止にしたかわかっていない人ばかり。日本は他人の迷惑を考えられないというモラルの低い国なのです。会社の中ならば、これは社内のモラルです。こういうモラルの問題こそ、首相のようなリーダーの鶴の一声で変えられるようなものだと思うのですが。。。

改革、改革と威勢のいいことはいいますが、靖国や常任理事国などの外交にしろ、財政改革にしろ、一般受けすることを前面に出しても、真の政治意図は明確にしない(あるいは持っていない)というのが小泉さんなので無理でしょうが(苦笑)

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