2006年3月28日火曜日

[大前研一] ロウアーミドルの衝撃

今のところ中流どころか、ロウアーミドル(lower middle中流の下)の気分にすらなれないので、衝撃を受けないし、「中流崩壊」にある話も等の昔から気づいていたので、最近話題になるのがおかしいと思いますが、これらの本で衝撃を受ける人もいるでしょう。

日本人に根付く「一億総中流」の意識とか、それに派生する「平等」という意識はとっても嫌なものです。本当の意味の平等とは、選挙権とか教育を受ける権利とか「法の下での平等」くらいでないと、訳がわからないものになりがちです。実際、政治家も混乱しています。

民主党の前原代表が言っていました。教育の機会平等が失われていると主張する文脈で、「親の所得と学力に相関関係がある」 => 「いい大学に入れない」=>「いい会社に入れない」=> 「所得が低くなる」、「このことについて小泉首相はどうお考えですか?」。 小泉さんから何を引き出したいかもわからない、とてもお粗末な質問の仕方なのですが、それよりも、いい大学 => いい会社 => 40代で給料のピークが来てしまった => 甘い起業の誘惑に手をだして失敗(士族の商法のように) という方々がたくさん出てきているのに、その甘い認識では、小泉さんに「学歴がすべてではない」と交わされてしまうのも無理はありません。

話はそれますが、「学歴が低くても政治家にはなれる」と豪語できる小泉さんの神経が不思議です。法律を作る能力のない人、世界だけでなく日本の歴史すら知らない人ばかりが政治家になるのがいいとは思えません。マスコミは「庶民」の感覚を持った人を褒めちぎりますが、そのような無能な人が政治家になるばかりで、大胆な政策は取れず(庶民の感覚だけでは無理です。知に裏打ちされた政策でないと他を説得できません)、結局、損をするのは、増税され年金の割が低い低所得の国民。役人は効率の悪い仕事、不要な施設拡充(世界最高水準の電子化といいながら、結局は窓口に行かなくては何もできない住基ネットや各種届出)で、税金をむさぼっている状態だというのに。

教育の機会均等って、親の仕事に従事しなければならない子の学習時間まで保護するようなものでもないでしょう。修学旅行の資金を出せない家庭に支援をとか、そういう話でもないのでは。中学や高校の3年間より、数日の修学旅行の方が印象に残ってしまうような学校の現場の方がおかしい。これも、学校内では「皆平等」に修学旅行まで行かなければならないという偽善が根底にあります。

そもそも、東大ブランドが通用するのって、日本だけですし、東大を出ても英語を話せない人はたくさんいますから、国際的な評価は相当低いものです。「いい大学」に入る機会が失われているというなら、「いい大学」を増やしてあげればいい。なぜ、それができないかというと、大学が東京にお伺いを立てないと新しい学部も作れないような中央集権型になっているから。

大前さんの本には、この辺りの問題への答えとなる魅力的な提案がいくつもあります。
まず、所得税をやめて、資産課税にする(アメリカの方式ですね)。
せっかく稼いでもそれに応じてたくさん税金をとられるのでは、稼ぐ意欲もなくなるというものです。
(配偶者の103万円ラインもこの例。これを超えると税法上の扶養家族になれないんですよね。なんともばかばかしい話です。)

サラリーマンの方は源泉徴収されているから、さらに税金に無頓着・無関心の人が多い。でも、公務員とか第一次産業従事者に比べて、税金が高いわりに保護が少ないのもサラリーマン。でも、無関心ゆえに、不平等な税金の使い道に怒りの声を上げようともしない。

そして、道州制による地方分権。日本を現行の都道府県よりもっと大きな単位で分割して、それぞれに自治性を持たせること。いい大学、地方独特の産業を育成するには、中央政府のスリム化ではなく、分権こそが必要だという論点には、納得できるものがあります。このままでは、中央政府の東京中心の視点に他の地域が引きずり回されて共倒れするような気配が漂っていますから。予算をとるためだけに、烏合の衆を集めて目新しい名前の学科の創設を申請するようでは、長期的な発展が見込めません。

ロウアーミドルが多くなっても、それに気づく人が増え、ハングリー精神が生まれるならいいのです。でも、それを挽回しようと、勉強もせずに安易に株や資産運用に飛びついてお金を増やそうとするのはいただけないです。株などによるキャピタルゲインは所詮取引で得るもの。取引そのものは、中身のあるものを創り出すわけではないのです。企業を育てるような中身のある投資は、自分自身がちゃんと資金を持つようにならないとできません(機会が廻ってこない)。

この本を読むまで全然知らなかったけれど、大前さんって東京都知事選に立候補してたようです。でも、そのとき当選したのはあの青島さん。それで現職は石原慎太郎。結局、選挙って著名人が勝つようです。石原さんは強気の外交ができるから、都知事なんかではなく政府側にまわって欲しい人なのですが。東京都から、対中国発言している様子をみると、とてもむなしく響きます。

改革といっても、自ら企画して大なたを振るえる人がまだ要職に付いていないのが悲しい。それなのに、知名度にだまされやすく、本質を持った人を国民が支持できる状態になっていないというところが、ますます悲しい。小泉さんは旧派閥を壊すという大きな成果をあげたけれども、彼自身、有意義な政策は練りだしていないのです。

プランを練れる人が実権についたときに、どれほどスピーディに世の中がいい方向に変わるのかを見てみたいのです。ここ数年間の様子を見る限り、これまでの人では、些細な方向(テーマとして大きく取り扱われてはいるけれど)に足をつっこんでばかりで、大事なところ(国民の利益に結びつくようなところ。食費が安くなるとか、給与が上がるとか)に結びつくところへの議論がなかなか進んでくれないのでがっかりなのです。

イルカとクジラ

20数年間ずっとイルカとクジラは、違う生物だと思っていました…。

衝撃。

2006年3月27日月曜日

洗練すること

こちらのビデオを見てください。

ボール3つなので、ジャグリングの技術的にはそれほど高くないはずなのですが、曲に合わせた連続技を駆使することで、ここまで魅力的にできるのかと感心させられてしまいます。

なんでもかんでも難しくするのではなく、洗練することによって魅せることができるとは。
目から鱗です。

2006年3月26日日曜日

[プロ野球] リアルタイムに更新されるデータベースはないの?

日本が時代遅れだと思うとき。
野球選手のその日の成績がその日のうちにネットでわからないこと。

MLBでは、全試合、タイムラグが少ない状態で、リアルタイムに更新される試合状況や、選手の成績の変化が無料で見られます。RISP(得点圏打率:[hitting with] Runnners in scoring position)をみると、clutch hitterなのかどうか、よくわかります。毎日の打撃成績も即座に見られます。良く知らない選手がでてきても、過去の成績データから、どんなタイプか把握できたりします。

日本のプロ野球中継のテレビ放送を見る限り、細かくデータを紹介しているので、きっと選手成績のデータベースというものは存在しているのだろうけれど、それが公になっていません。

どうも、半自動で試合後数日たってから更新されていると思われる日本野球機構オフィシャルサイトも、知りたいときに情報が手に入らないのでまったく面白くありません。また、ここでは過去の成績もわかりません。

あまりファンをつかむ努力を大がかりにやってないと思うのです。今日はあの選手頑張ったのかなと考えるときに、成績を見てもヒット数、打点・打率しか書いてないし、その情報すら各チームの公式ページにも載っていないことがあります。これでは、ファンは離れていきますよね。毎日試合を見に行ける人なんて、少数だろうし。ひいきにしている選手が活躍してもスポーツニュースで扱われないことがあったり。そういうときに、試合の映像アーカイブもない。

選手データのデータベース作成は、全球団の協力が不可欠。成績が管理できているということは、どこかが全球団の協力を取り付けていて必ず記録を付けているはず、だけど、その成績を管理しているところが、ファンをつかむためのビジネスチャンスを安々逃しています。

球場に行く人だけがファンじゃないんだから。。。まったく。
MLBのデータの充実さを見ると、日本の野球から気持ちが離れているのはごくごく自然。

WBCの影響で、多くの俄ファンが出てくるだろうけれど、すぐ気持ちが離れていくと思います。WBC決勝はたまたま日本の祭日だったから良かったけれど、普段は昼間の試合なんて見られませんから。


(後記)
NBP BISというデータベースがある模様。それで、携帯サイトではリアルタイム発信している。あ~あ、こんなちっちゃな利益のために(もちろん、携帯サイト市場はそれなりに大きいのでしょうが)、日本球界の本当の利益を損ねているなんて。公式記録を新聞社や球団にちまちま売る既得権益にしがみついている人がいるのでしょう。こうなると、サイトに成績が反映されるのが遅れているのも、明らかに意図的なものですね。

2006年3月25日土曜日

歩きタバコと日本のモラル

こんなところに書いても何の足しにもならないだろうけれど、一言。

「歩きタバコは不快だからやめて」

世の中には嫌煙家とか愛煙家がいるようです。でも、「タバコは健康を害する」、「いやデータが怪しい」、という応酬を見ていると不毛だと感じます。職場などで四六時中副流煙にさらされ健康リスクを負っている人以外には、健康に悪いかどうかなんてどうでもいいことです。どちらの方向に証明されたとしても、「服に匂いがつく」、「嫌悪感を覚える匂い」は解決されていないのですから。

日本のタバコの税率は6割。これは、海外では8割のとこが多く、日本はかなり安い国なのだそうです。でも、この税金、歩きタバコ抑止という目的にほとんど使っていないことは明らか。目的税として徴収してはいないし、むしろ国や地方自治体にとって貴重な財源になっているはずです。

タバコ税は健康に悪いから増税してもいいなんて安易な論調を振りかざしているから、養老孟司のような愛煙家の意見の方に説得力が出てしまいます。タバコも文化で嗜好品であるのに、不当に抑圧されている、という主張のようです。この主張を変に間に受けて、税金を払ってやっているからタバコを吸ってもいい、なんて言う人もでてきます。

「タバコは健康に悪い」=> 「増税してもいい」
という論理は、本当に「タバコは健康に悪い」かどうかを疑わせるだけで簡単に崩れます。ヘビースモーカーでも元気なおじいちゃんだっているし…。

「増税すると喫煙者(特に未成年)への抑止力になる」
いままで6割(約2兆円)も徴収していて、効果的に抑止できていないし、他国で成功したことが、日本で当てはまるとは限りません。学校の職員室が禁煙でないところなんてざらにあるでしょう。「大人だから吸ってもいい」なんて論理は通用しません。それを使うと「大人でも他人の迷惑を考えられない」という論理を導けてしまいます。

マナーの悪い人に怒るのは当然。でも、高割合の税金を徴収していながら、啓蒙活動を十分に実施していない役所のほうがおかしい。

たばこの匂いへの反応を喫煙者と非喫煙者でわけると、おそらく喫煙者の方が嗅覚が鈍感になっていて嫌悪感も薄いこと。衣類への匂いの付着なんて、すでに実証されているはずです。

何か建前があると増税しやすいのですが、なぜか国民の目の代わりの監視役として重要なメディアは、増税されて得られたものがどのように使われているかまでは着目しない。

千代田区の歩きタバコ禁止条例も、区内の通りでは一応功を奏したようですが、千代田区の境を一歩出た橋の上で喫煙を始める人がとても多いそうです。

どうして歩きタバコを禁止にしたかわかっていない人ばかり。日本は他人の迷惑を考えられないというモラルの低い国なのです。会社の中ならば、これは社内のモラルです。こういうモラルの問題こそ、首相のようなリーダーの鶴の一声で変えられるようなものだと思うのですが。。。

改革、改革と威勢のいいことはいいますが、靖国や常任理事国などの外交にしろ、財政改革にしろ、一般受けすることを前面に出しても、真の政治意図は明確にしない(あるいは持っていない)というのが小泉さんなので無理でしょうが(苦笑)

山猫軒のビーフカレー @本郷

カレーが無性に食べたくなって、前々から行こうと思っていた山猫軒に行ってみました。

注文したのはビーフカリー、1050円。
さらっとしたカレーに塊のお肉が入っていて、贅沢な感じ。

上野の有名店、デリーに行ったときは、やっぱり辛さが強くて汁っぽい本場風のカレーは苦手だと思いました。(辛いのは好きなのですが、スパイスを楽しむ以前に辛さがきつくて…とても味わえないのです)老舗、新宿中村屋もインドカレーを再現した味で、日本のカレールーになじんでいる僕は苦手です。

でも、山猫軒のカレーは、インドカレーのようにさらっとしているけれど、口に含むと味に深みがあって、辛さもほどほどで味わいやすくて満足できました。


ちなみに、ひと昔前は、新宿中村屋のカレーを食べることが、学生の間でのステータスだったそうです。他のカレー屋さんより10倍くらい高かったとか。東京にいると、おいしそうなお店はたくさんあるのだけれど、実際入ってみると値段相応に満足できるものって少ない気がします。サービスも味も悪いのに土地柄のせいで高くなっているだけのお店に当たることが多いのです。自宅でご飯食べたほうがよっぽどおいしいとなると、お店で食べる醍醐味が失われてしまいます。自宅でできない手間隙を目当てにしているのに。

かといって、本当においしそうなものを出しているお店は手が出ないほど高い。 中村屋のカレー(1300円くらい)が今はそれほど高くない印象になっていることからすると、周りの店が高くなりすぎているのでしょうか。流通事情がよくなって安くできるようになったのかもしれませんが。

八百屋と肉屋で買い物して自分好みのチキンカレーを作っても10皿分1000円以内だし、奮発して牛肉にしても2000円以下で作れると思います。飲食店は原価の3倍が通常だから、ビーフカレーなら、1皿200円x3で600円。

そうすると1050円は高めの値段ですね。でも、作る手間を省け満足度も高かったので、これはこれでOK。

10倍がステータスになるなら6000円かな。コース料理が食べられそうな値段ですね。この値段のカレーなら、確かにステータスになるかも。自分が満足できるかどうかはさておき。

さて、大学生の人は飲み会にいくと、3000円~5000円は使うことでしょう。大手の居酒屋だと料理の味は最低限、お酒もさほどおいしくないのに、これだけの値段を使っているのです。みんなと楽しく話すための場所代が入ってるからそんなもの? でも、考えてみてください。帰りにはタバコの匂いが服に染み付いてしまっているだろうし、まわりもうるさくゆっくり話しもできないような場所なのに、その値段なんて。 金銭感覚がマヒしていると思います。

もっと、いいお店を探しましょう。お酒も量を飲まなくてもいいはずです。値段相応においしいものを食べて、おいしいお酒でほろ酔い気分になって、快適に帰路につける、そんなお店が増えることを願っています。

そして、そんなお店があったらぜひ教えてください。

2006年3月24日金曜日

元気のもと

早起きして、きちんとご飯を食べて、研究室に行って、仕事を開始。昼が近づくにつれ、日の光が心地よくなってきました。


幸せ。


こんなごく普通のことが、元気のもと。
仕事をしたりモチベーションを維持するのに、これ以上の準備はないかも。

先の不安を吹き飛ばして、冷静に一歩一歩今やれることをやる、という気持ちになります。



実は夜更かしして睡眠不足なので、けだるさはあるのですが、それでも心が落ち着きます。

食事を取って日の光を浴びることが、こんなに大切なことだと気付かされました。

2006年3月22日水曜日

[WBC] 長期的なモチベーション

日本のWBC優勝で、公式サイトでは、米国でも有名な王監督やイチローがよく取り上げられています。
それ以外の人の情報って彼らはあまり持ってないから、仕方がない面もあります。

けれど、僕には西岡くんが一番印象に残りました。

キューバ戦最終回でのプッシュバントとか、誤審でアウトにされてしまうくらい素早いタッチアップの走塁、Round2韓国戦で一矢を報いるのHRなどなど。どれも技術レベルが高いのです。彼のプッシュバントはテレビのハイライトではすっ飛ばされていることが多いのですが、試合の流れを変えた一打です。この手のプレイはちゃんと練習していないとできないはず。

こういう細かいところは記憶にも記事にも残りにくいので、メモしておきました。

MLBのニュースを読んでいると、Yankeesの松井はcleverとか、野球を良く知っていると評価されることが多いです。
日本の打者は、situationによって打ち方を変えることが身に付いているからなんでしょうね。
MVPを取るくらい成績を残していても、走者のいる肝心なところで三振が多い印象のあるA-Rod。
本当は、彼にもバントをさせるくらいでないと勝ちたいときに勝てないのでは。

昨年のWhite Soxがバントを確実に決める野球で成功していました。
けれど、日本ほど徹底されるわけでもないのでシーズン中はとても中途半端でした。
ポストシーズンに入って、絶対勝つという意識が出てからようやく皆がバントをするようになったのです。

USAチームが早期敗退したときは、ここまでの執念はなかったように感じます。

イチローは、マリナーズに戻ってから大変そう。
ここ数年高いモチベーションを維持できていないチームだから。
日本チームの面々が彼の練習への姿勢や熱意にいい影響を受けたと言っているのにも関わらず、
シーズンを通してイチローと一緒にいるマリナーズのメンバーはなぜあれほど弱かったのか。
言葉の壁があるから、あまりチームに彼の野球に対する姿勢が伝わらないのかも。

ふむ。こういう日記を書くのに時間を割いている時点で、イチローと違って、僕は必ずしも自分の目標のために生活しているわけではないようです。
こんなことを書くのも、イチローは野球のために生活を合わせているところがすごい、という話を聞いたから。

仕事へのモチベーション、それも長期的なモチベーションを高めるには、生活の中にも仕事への準備を取り入れることが大切。
これは、仕事のことばかり常に考えるということではなく、仕事に入りやすい環境を整えたり、気分転換を取り入れるなど、いろいろな要素があります。目標に集中するために家族のケアも大事。
ただ、これらを思いこみにもとづいてやっても続かないでしょう。実践による試行錯誤が必要です。

良いと思える方法を多く探し、それをライフワークにする。
いいものを見つけたときの喜び、なかなか見つからなくて苦しむ、でも、
そういうことを継続できることが、本当の才能なんだと思います。

ピアノの上達なども、弾くことを好きになることが第一。この「好き」というのがまさに長期的なモチベーションにつながるのですが、他のことに気を取られたりすることで、人間って驚くほど簡単にこういう気持ちを忘れることができます。

物事を「好き」という気持ち。
なんの努力もなしに手に入るものだし、これを維持するのに苦労しない人もいます。
そういう人は、大抵、モチベーションを維持するための外的な要因が整っている場所に飛び込んでいるのだと思います。

僕は、いろんな事を好きになれるためか、まだ1つのことへのモチベーションを維持するのに苦労しています。
もうちょっと試行錯誤しないと。

2006年3月17日金曜日

[WBC] またもや、Davidsonの誤審

もう、1度ならず2度までもこういう判定があるなんて。それも、決まってアメリカ寄りの判定。
映像をまだ見ていないのだけれど、ホームランが2塁打にされてしまった模様。

まさかアメリカがメキシコに負けるとは思わなかったけれど、
この試合が始まる前の状況は:
アメリカがメキシコに負けた場合、日本・アメリカ・メキシコが1勝2敗で並び、
メキシコ <- アメリカ <- 日本 <- メキシコ とhead to headの勝敗による優劣が循環するので、この3チーム同士の試合における9イニング辺りの失点数で順位が決まります。

日本の対アメリカ、メキシコ戦での総失点数は5(18回辺り)、
アメリカの総失点数はメキシコ戦が始まるまでは3(9回辺り)だったので、メキシコが2点以上取ってアメリカに勝たないと、日本の準決勝進出への道が閉ざされる状態でした。

そんな状況での1点の差というのはとても大きい。
結局、2塁打となったあとにタイムリーがでてメキシコに点が入ったので、日本にとってはよかったわけですが…。

問題の審判、Bob Davidson. 彼が結果的にアメリカの傷口を広げました。
最強チームのはずが、審判の誤審に2度まで助けられながらも、敗退。

日本側の溜飲はこれで下がるけれど、アメリカのfrustrationは溜まりそうです。
MLBには、実力があってもうまく使ってもらえない(マイナー生活が日本よるはるかに長い)ことが多いのに、高級取りのスター選手の集まりでも勝てないとなると、埋もれている選手達が報われません。

日本戦の後に見られた、アメリカ代表が審判の誤審を正当化するような腹立たしい発言は、さすがに今回は出ないでしょう。勝てばいいってものじゃない。負けたとしても、このWBCという場で、世界最高水準の報酬をもらってプレーしている選手としての誇りを見せてほしいです。fairnessを欠いた試合を彼らが認めているようではいけない。

2006年3月13日月曜日

日本 対 USA: ビデオ判定してほしい…

http://www.worldbaseballclassic.com/2006/multimedia/index.jsp?sid=wbc
このページにある、'Japan run nullified'というリンクのビデオを見てください。
(数日後にはリンクがなくなっているかもしれないので、その場合はmore archivesから探してくださいな)

とてもキャッチより先に3塁を離れたようには見えませんが…。
キャッチのタイミングに合わせて重心移動をして、キャッチの瞬間にスタートを切れているという高等技術のように見えます。

だから、ぱっと見には、キャッチより前に体は動いてスタートを切っているように見えます。けれど、足は離れていないという状態です。

僕はYankeesファンなので、Jeterのいるアメリカチームが勝っても別にそれはそれでいいのです。けれど、CNN SIなどのニュースを見ても、VTRではスタートが速いようには見えなかったと書いてあります。(上記のビデオでも..did not leave early.. -- That's plain safe right there. What's happened to the team Japan! -- Absolutely it is. と言っています)。そんな判定で試合結果が変わった(かもしれない)というのにはとても納得ができません。

2006年3月10日金曜日

XML Databaseは使ってはいけない

XMLデータベースの研究しているのになんですが、僕個人としては
XML形式でデータを管理することはお勧めしません。

XMLデータを手で記述するなんていう作業はもってのほかです。
XMLは一部を間違って操作するだけで、全体がよくわからないデータになります。

Gmailで動的データ通信に使われているAJAXという技術もあって、この最後のXはXMLのことなのですが、データのやりとりはXMLでいいけれど、データの操作はXMLでないほうがいいとさえ思っています。

けれど、これをお勧めできるようにする技術の研究をしています。

企業の方などで、XMLデータベースを導入しようとしている考えている方は、
それよりも、まずrelational databaseのことを学んでください。今のrelational databaseにできなくて、XMLにできることは、そう多くはありません。逆にXMLにできないことの方が多いくらいです。

けれどこれはSQLを学べということではないのです。データベースを操作する言語なんて、データを取り出せて、安全に更新できれば、なんでもいいのです。それと同じように、XMLを操作する言語も乱立していますが、どれを使おうとどうでもいいことなのです。

XMLを使っているけれど、XMLを操作している印象を持たせないようにすることが、僕の当面の目標です。

Web世代における著作物とパトロン

著作権法のそもそもの由来は、芸術家を支援するパトロンの凋落後、出版社が著作物の複製から得られる利益を保証するために設けられたそうです。
http://tatuya.niu.ne.jp/copyright/column/02.html

本を書いて、「これを1回読んだらいくら」という勘定は現実的に不可能だったので、
「複製の数が、著作物の使用の数にそれなりに対応する」という想定で、無断複製を違法とし、複製に対する対価で収益を保証するという方法が取られてきました。

けれど、Webの時代になって、印刷機器への投資コストなしで著作物を配布できるようになっています。本に留まらず、映画・音楽・絵・写真などの著作物はデータとして作成できるようになったので、複製は容易です。いくらDRM(Degital Rights Management)で保護したとしても、抜け道は多数あります。

まったく新しい時代が来ているようにも思えますが、この変化は、著作物が、
既に広く使われているモデルに当てはまるだけなんですよね。

「複製が容易」、「誰もが見られる」。 これってまさにテレビ。

著作者は、出版社からではなく、現在のテレビと同様、広告ビジネスで生活の糧を得るように変化します。むしろ、そうしないと芸術家として生きていけなくなります。
視聴率の変わりに、著作物のダウンロード数が、著作物の評価の大まかな指標になります。
Web上での評判も、この用途に使えるでしょう。

あるいは、出版者の変わりに、米国で大流行しているTiVoのような番組配信サービス業者がパトロンになるのか。
ただTiVoと同様の形態だとCMはスキップされてしまうので、いくら公衆発信したものをHDDにためているだけとはいえ、著作者側がこれを良しとしないという、衝突があるでしょう。

それでも、CMのビジネスモデルはまだまだ有効なことには変わりがありません。公衆送信できるメディアの力はすごいですから。今の番組の間をぶつ切りする形や、本に挿入する形では、あっさり回避されてしまいますから、うまい形態を見つけることが、著作者側に求められています。

著作者本人がこんなこと考えながら、作品を配布するというのも面白いですし、うまく宣伝を盛り込む手法を編み出すのが今後の出版社の新しい仕事になるのでしょう。

でも、こんなことを考えていると、著作者に資金を与えて、良い芸術作品を世に送り出したパトロンという存在には夢やロマンがあって素敵です。

自分の楽しみのために、芸術にお金を注ぐ。
また、芸術を楽しむために、お金を稼ぐ。

昨今、違法コピーだ、Winnyは著作権侵害だとか騒いでいるときに、欠けているのはこのパトロンの心意気ですよね。コピーが容易な時代なのだから、違法コピーをする人を防ぐのは容易ではありません。けれど、芸術家が作品を世に出すとき、違法コピーを楽しむ人を相手にはしていないはずです。そんな人を相手に対価を取ろうとする行為は、ばかばかしいものです。

Webの時代は、コピーに対して対価を求めるのではなく、自分の著作物によって知名度や評価を得ることが大切な時代です。そして、その知名度によって、その人を支援したいというパトロンの心意気を持った人が増えることを望みます。

これを経済にあてはめると、知名度は会社の信用に対応しますが、パトロンは投資家で、利益は得られた作品なんですよね。…うーん。パトロンが廃れたのがよくわかります。道楽できる人以外には無理。お金を出してばかりだもの(笑) 今後に備えて、著作物周辺で対価を得られる仕組みを作らないといけないですね。

警察庁長官、警察官のウィニー使用「認識甘い」

うわぁ。認識甘いのはこの長官の方ですって。

私物パソコンの代わりに、官費でパソコンを購入して支給すると発表した防衛庁も、それでは根本的な対策になっていないのに、それに気づいていないのか、わかった上で敢えてわかりやすい部分だけを発表をしているのか…。

ウィニー以外にも情報流出につながるソフトウェアなんて山ほどあるし、
(ネットワークにつながるものはみなそうでしょう)
ある程度経験のあるプログラマならその場で作ることもできます。

だから、国家や個人の安全に関わる機密情報は、物理的に遮断しないとだめ。
いくら警察官などの意識を徹底したところで、専門家でも気づかないような流出経路は出てくるのだから。

EFSのようにディスク上のデータを暗号化するものもありますが、それでも、データを使うために一度は、復号化しなくてはならないし、そこからネットワークに漏れる可能性は否定できません。ディスクをノートパソコンに搭載せず画面だけを転送する情報端末のようなやり方もありますが、作業画面そのものを転送されて盗み見されることだってある。

流出したことを感知できないことも問題だし、個人認証もまだそれほど手軽ではないことも問題。広く普及してアプリケーションも充実しているOSを使うメリットと危険性や、セキュアだけれど、開発が大変な独自OSとアプリケーションを使う選択には、トレードオフがもちろんあるのだけれど、どちらにしろ、完全にデータを守るということは難しい。企業内イントラネット用のセキュリティは随分昔から議論されているけれど、その技術はまだ個人レベルにまでは普及していないんだよね。

だから、情報の安全性に関しては、個々にパソコンとネットワークを提供するような現場では、100%の安全なんて保証できない、というのが正しい認識でしょう。

このことをわかった上で、「100%安全ではない」なんて言うと信用が得られない事情から、上のリンクのように短絡的な発言・発表をしている、というなら良しとしましょう。

でも、残念ながらそうではないと思います…。

ウィニーが悪いといっても、ベースにある技術は個人と個人の通信のコネクションを作るだけです。(もちろん、データが拡散してしまう性質はあるのですが。拡散するがゆえに流出が見つかりやすいという変なメリットもあったり…)。 通信のコネクションをつくるソフトなんてたくさんあります。ブラウザだってメールだって、通信のコネクションをつくってデータをやり取りすることに変わりはないのです。

流出したデータを本当に悪用できる人は、それを手に入れたことを公表したりはしないでしょう。実際の問題は、流出を検知すること自体が難しいこと。データの安全を確保する技術はまだ発展途上だということを認識することが、まず必要。

公的機関がリーダーシップを取って、そういう技術を開発していないといけないはずなのに。。。

2006年3月3日金曜日

トラックボールの魅力

僕も愛用しているTrackball Explorerが生産中止になってしまったようです。
残念(手元に2つあるので、特に問題はないのですが…)

他にも、KensingtonのExpert Mouseなどのトラックボールをかれこれ5年近く使用しています。
マウスを使うのは、Illustratorなどで線画を描いたり、マウス用のゲームで遊ぶときくらいなものです。

トラックボールの魅力は、
・手首を動かさずに操作できる
・カーソル移動が速くてスムーズ
・机に固定できるのでマウスほど置き場所(作業場所)を取らない

というところでしょうか。
Trackball Explorerは値段の割にはかなり使える製品です。ただ、ゴミがたまりやすく、まめに掃除をしないとボールが回転しにくくなるという欠陥があったため、生産終了は仕方がないかな、と思う面もあります。

まぁ、マウスで十分満足している人には、敢えてトラックボールの使用はお勧めしません。「知らぬが仏」と言いますし…。僕も最初はもの珍しさからトラックボールを使ってみただけなのです。

ちなみにトラックボールを使うと、机の上はこんな感じになります。

2006年3月2日木曜日

メッツの松井はレギュラーになれるか

2塁手でGolden Glove賞を4回獲得したBret Booneが引退を決意しました。
これで松井の活躍を願う日本人として、ほっと一息つけます。

New York Metsの2塁手候補は、Kaz 松井と、Anderson Hernandezの二人に絞られました。ヘルナンデスの方は、マイナーで好成績を残したとあって、若手有望株として、松井と正2塁手の座を争うことになるでしょう。この状況は互いに刺激があっていい方向に行くのではと思います。

良くなかったのは、Booneが引退を決める前までの状態。場所は違えど、Major, Minor、日本で実績を残している選手ばかりです。だれをレギュラーにしてもおかしくなく、人材をもてあましている状態でした。今シーズンに復活をかける松井やBooneにとって、打数を確保できないというのは、実力を証明しにくく、非常に嫌な状況だったでしょう。1週間単位で見れば、イチローですら打率1割以下になることがあるからです。少し打てないとすぐに交代させられ、ペースをつかめず、成績が出ない。悪循環です。巨人の清原もその例かと。

Dodgersに入団した中村紀洋(現オリックス)も最初が不調だったばかりに、マイナーに落とされ、そこで成績を出しているにも関わらず、全くメジャーに上げてもらえませんでした。本人がこれを「罰ゲーム」と表現する気持ちもわかります。2005年、彼以外の3塁手3人は揃いもそろってコンスタントに活躍できなかったのですから。マイナーとは言え中村の成績の方がインパクトがありました。Dodgersの監督Grady Littleの起用法が悪すぎ。自分の想定に入っていない選手は使えないのです。勝率5割を切って当然。

あと、メッツの松井の印象を悪くしている要因として、守備のエラーが多いことがよく言われますが、彼のrange factor(9イニング当たりの刺殺数と捕殺数の和)はメジャートップクラスなのです。つまり、それだけボールがよく飛んできて、きちんとさばいているということ。グラウンドのコンディショニングが「最低」とまで言われるようなシェイスタジアムでは、良くやっている方だと思われます。負け試合に痛恨のエラーをしてしまう彼の運が悪いとしか言いようがありません…。

参考記事

信用を勝ち取らないと試合に出させてもらえません。けれど、監督の選手へのシーズン当初の信用度とシーズン終了後の成績のデータを取ってみたとすると、きっとそこには相関関係が表れないと思います。昨シーズン後半のYankeesの先発陣は、シーズン当初にはベンチにすらいなかった人が占めていたのです。けれど、結果として彼らのおかげで地区優勝を果たしました。

彼らが起用されたのは、レギュラー陣が怪我でドロップアウトしたという台所事情も大きかったのですが…。やっぱり運が大事。あまり実力でつかみ取るもの、と考えない方が幸せかも。 「実力で、競争で」と建前上言われるけれど、シーズンを通して見ていると、そうでないことが多いのです。

clutch hitterは決定的な場面で打ってくれる頼りになる打者のこと。昨年のDavid Ortizはまさにそうでした。けれど、結局MVPを取ったのは、得点圏打率3割以下のA-Rod。2位に甘んじたOrtizは.348。HRは1本差、打点はOrtizの方が18点も上回っているにもかかわらず。

信用がない状態でレギュラーを勝ち取るには、clutch hitを打つしかないと思うのですが、その指標となる得点圏打率もあまりきちんとは評価されないんですよね。なんともはや。

2006年3月1日水曜日

ys: 「 何が原因なのか、日本のBSE 」

日本のBSE感染牛に関しては、ある特定の代用乳が因子となっている可能性があるにも関わらず表沙汰になっていないというのは、随分前から(2003年ころから)指摘されていました。 でも、僕もこの記事を見るまですっかりそのことを忘れてしまっていました。利害関係のある人達のメディア対策がうまく行き過ぎている例です。

米国産牛肉の安全性をこれでもかというくらい議論しているのに、肝心の国内のBSE感染の原因を探ろうとする動きにはつながりませんよね。
肉骨粉が原因だと思っていた人は、上の記事を読んで、これまでの輸入停止や全頭検査などの経緯を振り返ってみるといいかもしれません。

食品安全委員会でも代用乳の話はでてきていますが、表立って取り扱われてはいません。また、代用乳使用とBSE発生は関係ないと断じている農水省の統計的な結論も、このページの議論で覆されています。

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